近年、IT業界ではフリーランスエンジニアという働き方はかなり浸透してきました。日本のフリーランス人口は2018年には約1151万人でしたが、2021年では約1670万人と4年間で約500万人以上も増加しています(フリーランス実態調査2021)。フリーランスという働き方は世間に馴染みつつありますが、そんな中で「フリーランスエンジニアとして活動するのは難しい」という意見も見受けられます。
ではなぜフリーランスエンジニアとして活動することは難しいのでしょうか?本記事ではフリーランスエンジニアが難しいと言われる理由とその対策を解説していきます!フリーランスエンジニアという働き方について詳しく知りたい方必見の内容となっておりますので、ぜひ最後まで読んだください!
なぜフリーランスエンジニアは難しいと言われるのか
よくフリーランスエンジニアになると、収入の増加や仕事を自由に選べるといったメリットが挙げられます。ただし世の中は甘くはなく、フリーランスエンジニアになるデメリットも当然存在します。デメリットもきちんと理解したうえでフリーランスになるべきか、会社員でいるべきかを考える必要があります。
フリーランスエンジニアを目指すことは自由ですが、物事には基本的に向き不向きがあります。フリーランスエンジニアにも向き不向きはあり、不向きな方がフリーランスとして活動するのは、リスクが伴うということをきちんと理解しましょう。
後述ではフリーランスエンジニアは難しいと言われる理由を紹介しますが、フリーランスエンジニアという働き方が自分に適しているのかを見定める参考にしてください。
スキルが伸びにくい
まず、フリーランスエンジニアのデメリットとして、スキルが伸び悩むということが挙げられます。フリーランスは、それまでに習得した自らのスキルや経験を切り売りすることで報酬を得るという働き方になります。
会社員の場合、自社のエンジニアのスキルを伸ばすことが会社にとってのメリットとなりますので、研修など教育の環境が整っており、自身のスキルを伸ばしてくれます。また、スキルが無いうちは社内のチームがカバーしてくれたりなど、未経験の現場でも着実に成長することができます。
ただし、フリーランスエンジニアになるとスキルが全く伸びないかと言うと、そうではありません。当然案件に参画する際には、業務をこなせるくらいの実力は必要ですが、現場で成果を挙げることやクライアントの信頼を得ることで、そこから自分の経験したことのないスキルに携わらせてもらえる事もあります。もちろんそのような現場ばかりではないので、スキルアップするために日々の自己学習も重要となります。
自ら営業活動をする必要がある
フリーランスエンジニアとして働く場合、仕事は自分で獲得しなくてはなりません。会社員のように、出勤すれば何らかの仕事があるわけではないので、自身でアクションを起こす必要があります。ですので仕事を獲得するためには、営業活動が必須となります。
フリーランスエンジニアにおける営業活動とは、自分の契約が終了することを見越して、仕事が途絶えぬよう、次の案件に参画するための面談や契約を終わらせる一連の作業のことを言います。フリーランスエンジニアとして案件に参画するためには、これまでに培ってきたスキルや経験をスキルシートなどでアピールし、基本的な面談の受け答えができるようにしておく必要があります。
フリーランスエンジニアの多くは、フリーランスエージェントや人脈を駆使して仕事を獲得します。自ら企業にアポイントを取り、案件を獲得するのはかなりハードルが高いので、まずはフリーランスエージェントに登録(ほとんどの場合登録は無料)し、案件を紹介してもらうことが無難です。
エンジニア業務以外にも知識も必要
フリーランスとして活動するにあたり、エンジニア業務だけをやるという訳にはいかず、業務時間外でもやるべきことはあります。フリーランスエンジニアは自営業ですので、確定申告をする必要があります。会社員であれば、予め企業が年間所得に対する所得税を国に収める源泉徴収制度があります。ただ、フリーランスエンジニアの場合は、1年間の収入から事業で使用した経費や控除額を差し引き、所得税を精算する必要があります。ですので、確定申告や基本的な税金に関する知識が必要となるのです。
確定申告の内容に不備(申告漏れ)があった場合や、申告が遅れた場合、故意に申告しなかった場合は、過少申告加算税や延滞税、無申告加算税などのペナルティがあり、最悪の場合、脱税犯罪で逮捕という可能性もありますので、期限内に手続きしなければなりません。
エンジニア業務のみの確定申告であれば、複雑なことはほとんどなく、経費や控除の基礎的な知識があればそこまで難しいものではありません。フリーランスエンジニアとして活動するにあたり、税理士を雇うなどして節税対策や税金の知識を蓄えている方もいます。
また、社会保険に関しても手続きが必要となります。社会保険は会社員の場合、会社との折半で支払うことが大半ですが、フリーランスエンジニアの場合は自分で満額支払う必要があります。フリーランスが支払う社会保険は、国民健康保険や国民年金が挙げられます。
景気変動に弱い
フリーランスエンジニアとして働く以上、常に仕事がある保証はありません。経済状況が悪化したり、業界に不況が訪れたりした際には、真っ先にフリーランスが契約を失います。フリーランスが案件を自由に選べるように、企業にとってもフリーランスとの契約をどうするかは自由に選択できます。
また、近年では外国人エンジニアに業務を任せるオフショア開発の普及やAIの発達によるエンジニア自体の仕事が減る可能性も考えられます。
とは言え、業界全体の課題としてエンジニア不足が必ず取り上げられます。政府の試算によると2030年には約79万人もの人材が不足すると言われています(経済産業省 IT人材需給に関する調査)。また、この課題には少子高齢化問題も影響しています。これほどの人数ですので、オフショア開発やAIの発達により多少の解決策にはなるかもしれませんが、エンジニア不足の解消にはまだまだ多くの時間を要するでしょう。
50代以降のキャリアデザインが難しい
フリーランスエンジニアとして活動する方の中には、マネジメント志向ではなく、現場の一線で手を動かしたいという方が多くいます。会社からのマネジメント部署への辞令などをきっかけに、フリーランスエンジニアに転身する方もいるほどです。ただし、技術力のみで定年と言われる60〜65歳まで働くことは至難の業です。
フリーランスのプロジェクトマネージャーとして、プロジェクトをマネジメントしていくこともありますが、それはあくまでもプロジェクトという限られた期間におけるマネジメントであって、中長期で人を育成し組織を創り上げるマネジメントではありません。ですので、50歳以降もフリーランスエンジニアとして活動していきたい方は、今後のキャリアを想定したスキルや経験を積む必要があります。
また、50歳以降のキャリアとして、講師業という選択をすることで、自分の今までのスキルや経験を対価にするという働き方もできますので、選択肢の一つとして考えるのも良いかもしれません。
最後に
結論ですが、フリーランスエンジニアとして活動するのは難しいことです。ですが、今後の社会の動向を考慮し、自分がどのようにキャリア形成していくか次第では、フリーランスエンジニアとして活動していけるとも言えます。
フリーランスエンジニアに関するメリット・デメリットに関する記事はたくさんありますが、最も信用できるのは自らの経験です。もしもあなたが”フリーランスエンジニアとして働いてみたい”と思うのであれば、是非挑戦してみると良いです。
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