【ほとんどの人が勘違いしている】フリーランスエンジニアのリアルな働き方

よくフリーランスエンジニアになるメリットとして挙げられる「自由な働き方」。フリーランスエンジニアは、”働く時間が自由で、場所を選ばずにパソコン一台あればどこでも仕事ができる”そんなイメージをお持ちの方もいるのではないでしょうか?

実際にそのような働き方ができているフリーランスエンジニアもいます。ただ、フリーランスエンジニアの全員がそのような働き方をできているわけではありません。

本記事ではフリーランスエンジニアのリアルな働き方についてご紹介します。

なぜ自由な働き方ができると言われるのか

冒頭にも話しましたが、世間ではフリーランスエンジニアには「自由な働き方ができる」というイメージがあります。「仕事を自由に選べる」や「自分の好きな時間に働ける」といったイメージです。確かに、自由な時間に働ける案件はありますし、そのような仕事を獲得すれば「自由な働き方」をすることができるでしょう。

また、Web上には「早く起きる必要がない」や「午後からのんびりと仕事を始めたりできる」といった内容の記事が公開されており、フリーランスエンジニアに「自由な働き方ができる」というイメージが浸透したのでしょう。そのような記事を読んだ方は、フリーランスエンジニアの働き方の魅力に惹かれるかと思います。

ましてや、残業が多く拘束時間の長い環境にいる会社員にとっては、夢のような働き方だと言えます。

リアルなフリーランスエンジニアの働き方

ここで誤解してはいけないのが、自由と責任は表裏一体であるということです。

”ほとんどの人間は実のところ自由を欲しがっていない。なぜなら自由には責任が伴うからである。ほとんどの人間は責任を負うことを恐れている。”
これは精神分析学の創始者”ジークムント・フロイト”が、自由について残した言葉です。フリーランスエンジニアの場合、より自由な働き方を得る代わりに、より大きな責任が問われます。例えば、今まで守ってくれいていた会社の上司や雇用保険などはなくなり、守ってくれるものがなくなります。フリーランスとして会社員時代より多くの収入を得る事も、案件が獲得できずに収入が途絶えてしまう事も、全て自分自身の責任なのです。

そこでフリーランスエンジニアは、実際にどのような働き方をし、どのようなことをしなくてはならないのかをご紹介します。

案件を獲得する

まず、案件を獲得しないことには「自由な働き方」はできません。フリーランスエンジニアは業務時間外で案件を探す時間を確保しなければなりません。それまでに参画している現場から延長の依頼があった場合は、仕事を探す必要はないですが、仮に延長がなかった場合や、契約解除などがあった場合は別の案件を探さなくてはなりません。

案件を探す方法としては、「自分で営業をする」や「フリーランスエージェントを利用する」「人脈から仕事を獲得する」といった方法が挙げられます。自分の営業力に自信のある方は、自ら企業に出向いて仕事を獲得するでも良いですし、営業力に自信のない方はフリーランスエージェントや人脈から仕事を紹介してもらう事でも案件を獲得することができます。

ただし、案件の全てが自由な時間や自由な場所で働けるわけではありません。管理がなくても仕事をこなせるといった、ある程度のクライアントからの信頼ないと「自由に働く」というのは叶いません。「自由な働き方」を手に入れるためには、それ相応のスキルや実績、信頼が必要という事です。

まずは自分の能力に適した案件を獲得し、実績をつけましょう。そうする事で着実に「自由な働き方」に近づくことができます。

クライアントとの契約を交わす

案件を獲得する際には、クライアント(発注者)と業務委託の契約を結ぶことになります。多くの場合、仕事を依頼される前段階としてスキルシートのチェックや面談を行い、クライアントが希望する業務を遂行するにふさわしいか、希望する成果を挙げることができるかを判断されます。クライアントが求める人材だと認められた場合、両者合意のうえ、業務委託契約が結ばれます。

フリーランスエンジニアが結ぶ業務委託契約には「請負契約」「準委任契約」があります。

請負契約とは、成果物の納品を前提にクライアントが業務を委託する契約です。そのためどれだけ時間をかけて納品物を制作しても、成果物として発注元企業から認められなければ、報酬を受け取ることができないのことが特徴です。納期に遅延があった場合は、報酬が請求できなかったり、契約解除や損害賠償請求のリスクがあります。

フリーランスエンジニアの多くは準委任契約を結んでいます。準委任契約とは、成果物の納品ではなく業務を行ったことに対する報酬を受け取る契約です。労働契約の締結があるわけではなく、現場もしくはリモートで業務を遂行すれば、安定的に報酬を受け取ることができるという特徴があります。準委任契約には善管注意義務というものがあり、簡単に説明すると「エンジニアのプロとして、業務遂行に最善を尽くしてください」といった内容です。クライアントの期待に応えられなかったり、業務不履行があった場合は、契約解除や損害賠償請求のリスクがあります。

契約内容によって求められるものは違いますが、自由な働き方をする代わりにクライアントの期待に沿った成果を挙げなければならないので、責任が重大だということを忘れてはなりません。

もっと詳しく契約内容について知っておきたい方はこちらの記事を参考にしてください。

確定申告を行う

フリーランスエンジニアは自営業ですので、自分で事業を行っていると見做されます。ですので、毎年確定申告を行う必要があります。

確定申告を簡単に説明すると、「儲け」に対してかかる税金(所得税)を自分で計算し精算する手続きのことです。会社員の場合は、所属する会社の方で源泉徴収を行われていることがほとんどですので、特に気にしなかった方も多いと思います。フリーランスエンジニアの場合は源泉徴収がない代わりに、自分で確定申告という形で所得税を支払うのです。

確定申告も業務時間外に行う作業になります。一年間の収入を算出し、そこから業務に関する経費や控除額を差し引いたりなど、確定申告に関する基礎知識が必要となります。

万が一、確定申告の記載に不備(申告漏れ)があった場合や、申告が遅れた場合、故意に申告しなかった場合は、過少申告加算税や延滞税、無申告加算税などのペナルティがあり、最悪の場合、脱税犯罪で逮捕という可能性もあります。ですので、確定申告は期限内に確実に行う必要があり、そこに費やす時間もあるのです。

最後に

「自由な働き方」というイメージがあるフリーランスですが、今回紹介したように業務以外にもやるべきことはたくさんあります。また、文中にも話しましたが、自由を手に入れる代わりに責任も大きくなります。「自由な働き方」とは、決して「楽な働き方」ではありません。フリーランスエンジニアとして働くからには、相応の覚悟と準備をして臨みましょう。

とはいえ、やはり「自由な働き方」というのは魅力的ですし、フリーランスエンジニアにはそれを実現できる可能性があります。欲を張らずに、着実にスキルや経験を積み、やるべきことをきちんと行うことで、着実に「自由な働き方」へと近づくことができます。

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